白魔女さつきの宴のレシピ

ファンタジックなものをおもに投稿したいと思っています。西洋風か和風のファンタジーどちらにしようか迷ったのですが、もしかしたら両方を投稿します。

運命の女

前日に

眉上まで前髪を切った

幼い女の子たちが、

水浴び場にはってある水面に、


淡く紫がかったピンクの

八重咲き薔薇と、

熟してきた蘭の花を、

浮かべている。



白いころもを着た

選ばれし清き美青年が、

静かに水浴び場の

なかほどまで歩んだ。



金色のらせんが

美青年の周りを、

まるで

贈り物のリボンの封を解くように

天にあがっていく。



ローブを着た仲介役の老人は魔法使い。


身丈ほどもある杖を、

地面に突いて鳴らした。


美青年がそちらに振り向き、うなずく。



「長いような、短かったような気がする」



魔法使いが言った。



「時は満ちれり」



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水浴び場には、

一面の花があるばかり。


龍が空を駆けるような

白い雲が出た、

よく晴れた日のことだった。





ー☆ー