白魔女さつきの宴のレシピ

ファンタジックなものをおもに投稿したいと思っています。西洋風か和風のファンタジーどちらにしようか迷ったのですが、もしかしたら両方を投稿します。

怪盗花猫~翼を持つ者~

大きなゴシック調の鳥かごの中に

亜天使が閉じ込められている。


背中の羽根もその年端もまだ

未熟な女の子だ。


怪盗花猫二世は、

狩りのついでに亜天使を助けた。


亜天使のほほにキスをして、


「もう大丈夫」


とほほえむと八重歯が見えた。


盗みに入った邸を出て少しして、

休憩に入る。


カフェ・ぐりにゃの

チャーシュー弁当と

わらびのめんつゆ漬けを食べて、

やっぱり美味しいなぁ、とか

独り言を言っている。


「お腹すいてるか?」


亜天使がかぶりをふると、

お腹がぐぅと鳴った。


「遠慮か。少し分けてあげるからお食べ」


チャーシュー弁当は

体質で拒絶したが、

めんつゆ漬けは少しずつ食べ出した

亜天使。


チャーシュー弁当に夢中な

その若者の肩をつつくと、

ん?とそちらをむいたので、

亜天使は唇にキスを贈った。


「いつか嫁にして?」


「こりゃ困った・・・」


孤児院でもある

フラワ・ウォーターの教会に

あずけられた亜天使は、

制御装置をつけて成長した。


聖女としての祭りの参加は、

ただ豪奢な椅子に

座っていればいいから、

とゆうものだった。


その会場に、

上半分の狐面をした男が現れる。


わいわいとしている中、

亜天使はその男を見つけた。


立ち上がり制御装置を外すと、

立派になった背中の羽根が広がる。


男の前まで飛び立つと、

男はバレたと言って笑って見せた。


八重歯が見える。


両手を広げた花猫二世に抱きつくと、

亜天使は唇にキスを贈った。


「いただき候」


そう言った男は、

のちに亜天使を嫁にして、

ふたりは生涯幸せに暮らしたそうだ。





ー☆ー



[ 名前紹介 ]


亜天使→美子:ビズ

花猫二世→螺子:ネジ