白魔女さつきの宴のレシピ

ファンタジックなものをおもに投稿したいと思っています。西洋風か和風のファンタジーどちらにしようか迷ったのですが、もしかしたら両方を投稿します。

短編ファンタジー【祝日ラリック・リリーズ】

大きな水門の

門番になることになった

弟のために、

弁当を持参する女がいた。


水門の持ち主の息子は、

優しく賢く働き者の美男子。


その美男子がみそめたのが、

水門の番人

ラリック・リリーズの姉だ。


ふたりは惹かれあい、

やがて結婚することになった。


ただひとつ、

問題があった。


水門の番人は、

占いで決められるもの。


緊急時にしか

交代は許されない。


辞職も契約期間まで許されない。


ラリック・リリーズを

結婚式に

呼びたいと思った姉は、

旦那になる男に

解決をゆだねた。


そして結婚式当日、

水門につながる水路に

いっぱいの

ユリの花が流された。


ラリック・リリーズは

それを知り、

水門の持ち主の息子に

報告に行った。


「報告はあとで聞く。この場にいなさい。担当こと義理の兄の責任である」


結婚式に出席する形で

その場にいた弟に

姉は大喜びをした。


そして何事があったのか

聞き知った民たちが、

どうか

罰しないでくださいと、

水門の持ち主に願った。


それに感動した

水門の持ち主は、

その日を


ラリック・リリーズ


呼び、祝日にした。


ラリック・リリーズの日は、

水路にいっぱいのユリの花が

今でも流される。




ー☆ー