ユニコーンの馬小屋伝説
星草:スターストロー。
干し草に混ざった希少なスターストローを食べて、ユニコーンたちが喋りだす。
「やっぱ、うめぇなぁ」
「貴重、貴重」
「なんだって!?」
「どうした、地獄耳さん?」
「重要なことがふたつ聞こえた」
「ほう、なんだろう。
話してくれたまえ」
「明日は黄色いニンジンと紫ニンジン。
白と黒は、あげるの怖いって。
自分達でかじってみる、って」
「ほ~」
「それで、ふたつめは?」
「あの額に角があるこ、
ここの馬小屋で生まれたこ」
「ん?」
「ほら、人型のだよ」
「ああ、アリアス・・・だったか?」
「たしかそんな名前だったな。
そのこに何かあったのかい?」
「嫁をもらったらしいよ」
「ほう、思い出した。
ピンクの赤髪を探す旅に出たこ」
「ピンクの赤髪を見つけたらしい」
ほ~、と、ユニコーンたちは感心する。
「成就したんだねぇ」
「なんで、ニンジンの話を
先にしたんだろう」
「彼、好きなものあとで食べるタイプ」
「そうなんや。あ。なまってもうた」
馬小屋に世話係がやって来る。
「明日は黄色い人参だよ~」
『「知ってる~」』
「うんうん、喜んでる気がする。
きっと黄色いニンジンに驚くね」
「この新人、なんか心配」
『「分かる~」』
「みんな、そろそろお仕事だよ。
今日は貴族のお嬢さんがたが、
君たちの背中に乗って写真撮影だ」
「ほ~・・・」
「どうしたんです、地獄耳さん?」
「馬に乗るひとは、
胸が平らなひとがいいんじゃないか
って言ってる」
「女子?女子が言ってるの?」
「萌えるなぁ」
「あかん、あかん、あかんで~
空想やめろや、角がびんびんや。
はい、仕事モード」
地獄耳さんユニコーンは黄色いドレスに豊満な胸を持つ主役を背中に乗せ、こっち向いて、と言うカメラマンに、最高のアングルを向けてやった。
「なんか聞こえる。
なんだって、今背中に乗ってるのは
女王になる姫様?
記念に変顔もしておこう」
ー☆ー
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