第1話 にぶんのいち
俺とパティは幼馴染みで、
小さい頃俺は泣き虫だった。
そんな俺をかばってしまった彼女まで、
いじめられそうになった時。
ふたりでしゃがみこんで、
囲まれた影におびえて。
その影よりいっそう大きな影が
自分にかぶると、
いじめっこは走って逃げて行った。
むずかしそうな顔をしている
体の大きなその男の子は、
僕たちを見つめた。
「・・・もしかして、助けてくれたの?」
「ん」
「まぁ。優しいひとなのね。ありがとうっ。お名前はなんて言うの?」
パティがたずねると、
気恥ずかしそうにそのこは
ぽつりと答えた。
「ロブ」
ロブはその日から、俺とパティの親友兼幼馴染みになった。
ー第1話ー
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