第10話 にぶんのいち
ポン、と精霊カーネリーが現れた。
「いいの?そんな安請け合いして?」
「しっ」
「え?」とパティ。
「ああ、いや、なんでもない」
どうやらパティには見えていないし、聞こえていないらしい。
ーー
ーーーー・・・
次の日から俺は、料理の勉強をはじめた。
ロブの家に行くと、レシピがあった。
彼が俺とパティの『子供味覚』に合わせて考案してくれたレシピノートだ。
ノートの表紙には、マジックペンで「パティとマイキーのために」と書いてある。
俺はロブが、俺とパティのために、トマトソースにケチャップを入れているのを知る。
それを見つけた時、少し、泣いてしまった・・・
「ロブ・・・」
そのケチャップパスタは、パティが「いつもの」と呼んでいるものだった。
俺も好んで食べていた。
「いつもの」と呼んで。
ー第10話ー
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