真空番龍【妖精職人の宝】
キャトフル・キャトエルと言えば、職人ドワーフか怪盗花猫のことだと思いがちだと言われた。
一寸法師のような身丈くらいか。
それより少し大きいような気もするが。
『妖精小人』のキャトフル・キャトエルは、真空番龍と言って、透明なキューブに龍を刻む。
キューブの、中に、だ。
一説に妖精小人の針の先が赤く光る熱技術でできているが、表面には針あとすらないらしい。
ドワーフのキャトフル・キャトエルは、花を刻むが、どうやらうわさにきくに、そちらも『赤い光』を使うらしい。
どちらのキャトフル・キャトエルにたずさわろうか考えている時に、気分転換に読書をした。
偶然なのか奇跡なのか、その読み物には、『触れない宝石』が出てきていた。
キャトフル・キャトエルと言えば、触れない、だ。
キューブの中に宝石を描いたら、
触れないじゃないか!
なんて素敵なんだろう。
さっそく天国らしきところにいるマーリーンに相談できたらいいのに。
宝石でキャトフル・キャトエルを作ったら、名前は何になるのかな?
思い浮かんだのは、ダイヤモンドカットと、鎖の部分まで水に浮いているかのような視覚的効果のネックレスだ。
涙型のペアーシェイプブリリアント
四角いエメラルド型
オパールとか、アンティーククッション
空想甲乙つけがたい。
名前は・・・
月明雫煌キャトフル・キャトエル。
そんな感じだろうか。
ー☆ー
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