第2話 闇桜と
頭に血がのぼり、
酔っぱらいの
よこっつらを殴る。
酔っぱらいは、
おぼえていろ、と、
使い古された捨て台詞で去って行った。
「ありがとうございます」
袴を着ているどこかのお嬢さん、
その若い女は、
おじぎをした。
まともに顔を見ると、
凛とした顔立ちの美人だ。
「ああ、口元におケガをっ・・・」
「ああ、いや、お気になさらず」
女は桜柄の袖の中から、
白いレースのハンケチを取り出した。
当たり前のように
傷口をぬぐおうとしてくれる。
とっさに左手が
女の手に触れている。
女は少し驚いたようで、
手を離した。
ー第2話ー
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