第4話 闇桜と
翌日。
緑色のカウボーイ・ハットに、
色を合わせた着流しに羽織りの男。
一度血のついたハンケチを返すのは
気が引ける。
知恵をしぼって小物屋。
レースの付いた白いハンケチを
手に取り、
端のほうに蝶の刺繍を見つける。
ちょうどその折り、
店に女学生たちが入って来た。
ふと、男が視線を向けると、
そこに例の彼女がいた。
「あ」
「あ」
「ああ・・・」
「まぁっ。
もしかして、お礼って・・・」
「ああ・・・いや・・・」
手元はもう見られていて、
男は帽子越しに頭をかいた。
「バレてしまったか・・・」
ー第4話ー
このブログへのコメントは muragonにログインするか、
SNSアカウントを使用してください。