雨の日、
一羽の白い鳥がふと、
自分はなぜ白いのだろうと思いました。
空の色はこんなにも
日ごとさまを変えるのに、と。
そして雨は続き、
白い鳥は思い出します。
私は朝の空の色が、
一番好きだ、と。
雨は夜のうちに止み、
地面には朝の香りと
水たまりがあります。
水たまりに映った朝焼けを見て、
白い鳥は思います。
なんて素晴らしいことだろう、と。
この水を飲んだら、
きっと私の羽色は朝焼け色になる。
アスカというその鳥は、
朝焼け映す水たまりの水を飲みました。
するとどうでしょう、
羽色は綺麗な朱(あか)になりました。
その鳥の子孫はみな
羽色が朝焼け色。
いつしかそのはじまりにあやかって、
その種を「朱鳥:あすか」と
呼ぶようになりましたとさ。
ー☆ー