白魔女さつきの宴のレシピ

ファンタジックなものをおもに投稿したいと思っています。西洋風か和風のファンタジーどちらにしようか迷ったのですが、もしかしたら両方を投稿します。

エルフの里の読書好き

エルフがひとり、川沿いの岩田に座り、読書をしている。


時間は昼前で、

その日の天気は陽光が優しかった。


「腹が減ってきたぞ」


エルフの側に飛んできた妖精は男の子で、四季の葉の色に変化する特別製の服を着ています。


「・・・ん?」


「だから、腹が減ってきたぞっ」


「あれは、なんだ?」


よくよく見てみると、川の上流から虹色の菊の花がいくつも流れてきます。


その不思議な情景に

少し警戒とみとれをしたエルフは、

流れ着いたものを見つけ、

岩田から砂利道へと移動しました。


「何かのシグナルだろうか・・・?」


「すっげーぇ、なっ。これ、虹色だっ」


「見たら分かる」


「食べれるかな?」


「初めて見たから分からない」



花をつまみあげ、観察するエルフ。


彼は更に川から流れてきたその花を、

心地よい温度の

水面から拾い上げ、

エルフの里に持ち帰りました。



「食紅・・・?」



ついてきた妖精が、毒はなさそうだ、と言います。


「なんのためだろう」


「シグナルがどうとか、言ってたな」


「ああ・・・シグナルだと思った」


「どんな?」


「形容しがたい」


「感覚なの?」


「思い浮かんだ感じがした」


「花が?」


「花?」


「虹色の??」


「虹色の花が水面に浮いてた」


「まるでシグナルだっ・・・何の?」



眉間にしわを寄せるエルフ。



「何かあったのか・・・?」


「心配しなきゃいけないことが起きてるのか?」


「まだ分からない・・・」


「毒はなさそうだぞ」


「何が言いたい?」


「これって、単純に美しい」


「ほぅ」



ーー

ーーーーー・・・


岩田で読書をするのが好きなエルフは、読みさしの部分をすぐに見つけた。


しおりをはさんでいたからだ。


手製のしおり。


押し花のしおりになった小さな虹色の菊の花は、しばらく彼の手元にあったそうだ。





ー☆ー

いただきもの

スーパーに行ったら、「これ以上は重そうだなぁ」とあきらめた、メロン。


食べたいなぁと思いつつ、

忘れてた頃合い、

いただいたゃったメロン。


冷蔵庫で冷やして、熟したのを食べたら

しあわせ味(笑)


のどの奥まで美味しく潤ってくれました。



素敵すぎて、


もはや、

美しい。






同じ日にサクランボも

もらっちゃって、

かなり

嬉しい。


なんだか幸福論を食べた感じ。




感覚で言ってみただけで、

幸福論がなんなのかは知らないけど、

林檎な歌とは特に関係ないです。


メロンとサクランボと・・・林檎?


フルーツ祭ですな。



※林檎は人物のこと示してるけど、

あんまり気になさらないで~?


閲覧ありがとうございます。

niceいただけたら、嬉しいです。



ー☆ー

魔法の国の妖精の里【虹色の花】

「なんだって!?虹色の花?」


妖精図書館の中、空想屋係フセンが驚いて椅子から立ち上がります。


「蝶の羽根のビタが見つけた、って」


「さっそくスケッチの用意だっ。知らせてくれてありがとうっ」


「いいって。今、食べれるかどうか食料調達係の調べ入って、多分ルーアンも現場に・・・ああ、もういない・・・」


「君は最近、小人から妖精になったこ?」


妖精図書館の『書蟲:しょむし』が、聞きますと、そうなんです、と新入りが言いましたので、書蟲は「よろしく」と言って、片手を出します。


新入りと書蟲は、ハイタッチをしました。


一方、川辺に向かったフセンが見たのは、虹色の菊の花でした。


そこに、恋人のルーアンと友人ビタがいます。


「フセン、すごいよっ、虹色の花!」


「先輩、来て、いる」


ビタとルーアンの側に、フセンが先輩と読んでいる妖精作家ビックリ・マザーがいます。


「先輩・・・先輩っ」


「あら坊や、聞き付けたんだね。こっちに来るといい。私の実験は、九割成功したに等しい」


ビックリ・マザーの実験とは、栄養に七色をつけたら、花は虹色になるのか、なんだそうです。


そしてもうそこに、虹色の花が咲いています。


フセンは夢中になって、スケッチをしました。


菊の花だと言うので、食料調達係たちが食べれるかどうか話し合いと吟味をしています。


「空想を、食べる」


ビックリ・マザーがたからかに言いました。


「目の保養のことです」


ビックリ・マザーの側近が喋って、周りから、喋った、と少なからず反響があります。


「ロマンだよ」


ビックリ・マザーがそう言うと、側近が、こちら予定表です、と周りに示します。


しばらくして、参加したい者たちが集まり、虹色の花たちは切り取られました。


それを水面に浮かべると、

流水に乗って

くるくると回転しながら

遠くに向かいます。


「綺麗だ」


「君も」


ルーアンはフセンの言葉に驚いて、そして側にいる彼の肩によりかかりました。


扇子で自分をあおいでいたビックリ・マザーが、感動に目頭をおさえます。


「虹色の花が咲いている・・・」


「ビックリ・マザー・・・すごいです。まさに、虹色の花が咲いています。あなたの側近になってよかった」


「ああ・・・夢は託される。愛は伝わる」


これって川の流れにそうんだったら、遠くの誰かが見つけて、感動したりするんじゃないの?とビタが言いました。


その場にいた者たちが、「ビーックリ、ビーックリ」とこぶしをふりあげ賛同します。


しばらく続いたその場に、ビックリ・マザーは言いました。


「日記に細かく書いておこう」




ー☆ー