白魔女さつきの宴のレシピ

ファンタジックなものをおもに投稿したいと思っています。西洋風か和風のファンタジーどちらにしようか迷ったのですが、もしかしたら両方を投稿します。

第3話 闇桜と

男は傷をハンケチで押さえ、名乗った。


「実家は呉服屋を営んでいます。

 縁がありましたら、

 どうぞご来店を」


聞くに、

女は近くの女学院に通っている、

十七歳らしい。


「ごきょうだいは?」


「一人娘ですの。

 その帽子とか、お着物は・・・

 呉服屋の宣伝か何か?」


男はお気に入りの

カウボーイ・ハットを片手で押さえた。


「まぁ、そうゆうことでいいです」



「そこの君たち、

 なぜならんで歩いている?

 不純異性交遊ではあるまいね?」



先がくるんと丸まった口ひげの警官、

黒い制服を着たその警官に答える。


「道に迷われたようで。

 今説明をしたところなんですよ」


「ああ、いや、では・・・」


警官が去って行く。


ふたりは、深い溜め息を吐いた。


「ハンケチのお礼をしたいです。

 後日、俺の実家を訪ねて

 いただければ、さいわい」


「分かりました」



男は微笑。


女も微笑を返した。






ー第3話ー