白魔女さつきの宴のレシピ

ファンタジックなものをおもに投稿したいと思っています。西洋風か和風のファンタジーどちらにしようか迷ったのですが、もしかしたら両方を投稿します。

猫猫花猫探検隊

全体的には白い毛なんだけど、お腹の横に、明るい茶色の花柄がひとつあるネコが近所にいて、「花猫」とか「オハナ」って呼ばれている。


僕は小学二年生で、妹は小学一年生。ここらへんは安全な地区だから、って理由で引っ越してきたばかりだ。

その証拠みたいに、ここらにはひとなれしたネコがいる。僕からしたら、たくさん、って単位の数だ。


僕と妹は外で遊ぶのを許されてから、近所のネコが普段どこで何をしているのか二時間ほど探してみる、とゆう遊びを覚えた。


今日追跡してみるのは、花猫。だから今日僕と妹は、猫猫花猫探険隊だ。


花猫を見かけ、信号機の青で渡る。コンクリートのしかれた居住区の家々を通りすぎ、塀と塀が合わさった隙間に花猫が入ったので、少しあせった。

偶然足がかりになるものがあったし、子供なら通れそうなので、僕が様子を見て、妹をひっぱりあげて塀の道を光にいざなわれながら通った。


ひらけた場所に出て、そこはなかなかの大きさの畑だった。着地して、妹が到着するのをしじする。

畑には何かの植物が植えてあって、みぞの部分を花猫が歩いているのを見つける。すぐに葉陰に姿が消えた。

逃げられないように距離をたもつのも、本場の決まりだ。さくもつを傷つけないように気を付けながら、花猫をふたりで追う。


知らない地区に入り、少し帰りが不安になった時、連れていってもらったことがある海辺に出た。潮の香りが風にする。そこは黄緑色をベースにオレンジ色のとさかがある南国カモメがいた。

僕たちが近づくと、びっくりしたように飛んでいく。誰がまいたのかドックフードがまいてあって、それを目当てにしているらしかった。


花猫はまだ移動する気らしい。南国カモメのいる海辺の近くには魔女が住んでいる、と聞いたことがあるので、緊張してきた。

しばらく歩くと妹が疲れたと、泣きべそをかきながら言い出した。実は、帰り道が分からなくなったことをいつ言おうか悩んでいた時だった。


花猫を、「フラーワード」と呼ぶ大人の女性の声がして、開いているガラス扉の中から甘いいい香りをさせているその場所がお菓子屋さんだと気づいた。

多少おこづかいを持っている。

中に入り、クッキーを買って妹と一緒に食べた。小さな冷蔵庫に飲み物も売っていて、一本買って、半分こをした。


かわきはなかなか癒えたけど、帰り道をどうしよう、と思った。妹が、ニコルがあるよ、と嬉しそうに店内の鉢植えをしめした。


RPGに出てくる、セーブ場のモデルになった植物、ニコル。近づくと帰りの道を感覚で教えてもらって、ついでにHPとMPも戻った。


家に無事に帰って、一日を思いだし日記を書く。ニコルのあったお菓子屋さんの美人な店員のお姉さんは、何百年も生きている白魔女じゃないか、と、思い付いたけど、少しの間書き出すのをためらったのだった。





ーおわりー