第5話 にぶんのいち
「・・・ん?」
「ロブって精霊が見えるの?」
「うん」
「そう言えばロースクール時代、お前そんなこと言ってたな」
「うん」
《パファー》と間抜けとも思える音が鳴り、フロントガラスいっぱいに光が満ちた。
衝撃音の次に覚えているのは、激痛で目覚めたマイケルという人格だった。
病院。
ベッドに横たわるしずみそうなほど気だるい体を認識する。
うっすらと目を開けると、そこにはパティがいた。
顔に少し傷があった。
「ああっ、よかったっ。パパ、ママっ目を覚ましたわっ」
俺は違和感を感じた。
患者服を着ている自分の腕が、小麦色だ。
「ロブ・・・」
「残念な話・・・なんだけど・・・」
パティはぽろぽろ泣きはじめた。
「助からなかったの・・・」
ー第5話ー
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