恋愛系小説のブログ記事
恋愛系小説(ムラゴンブログ全体)-
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「あの時?」 「あら、はぐらかさないで?事故の日よ」 「ん?」 「ロブ、あなた言ったじゃない?『パティ、愛してる』って」 俺は目を見開いた。 パティは続けた。 「きっとマイキーは私達の仲を許してくれるわ」 そして彼女はもう一度、俺にキスをした。 数秒後、 俺は一生、 ロブとして生きることを決意した... 続きをみる
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俺は花束から薔薇の花を一輪崩し摘んだ。 かまわずそれをパティに差し出し、彼女の手のひらに乗せる。 俺は今日、彼女にプロポーズすることを決めていた。 右手にしのばせてあった指輪を、薔薇の花びらで隠しておいた。 手の中の花びらが風に舞い、彼女は指輪に気づいた。 「ロブっ」 彼女は自分から俺にハグをして... 続きをみる
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ーー ーーーーー・・・ 一年がすぎ、ふたりで事故現場に行った。 花束を持って。 俺は、ロブのレシピをなんとなく作れるようになってきた。 パティの前では、ロブのふりをすることを決めて、そして時がたった。 感慨深いその場所で、パティは静かに泣いた。 パティが涙声でささやいた。 「マイキー。私と一緒に泣... 続きをみる
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ポン、と精霊カーネリーが現れた。 「いいの?そんな安請け合いして?」 「しっ」 「え?」とパティ。 「ああ、いや、なんでもない」 どうやらパティには見えていないし、聞こえていないらしい。 ーー ーーーー・・・ 次の日から俺は、料理の勉強をはじめた。 ロブの家に行くと、レシピがあった。 彼が俺とパテ... 続きをみる
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「そんなこと言ったって、もうパティ、美容院から戻って来ちゃうわよっ」 精霊カーネリーが少々怒っている。 「彼の潜在能力とかが発動すると思ったんだよ」 「どーすんのよ?」 「・・・魔法使える?」 カーネリーは冷たい目で俺を見た。 ーー ーーーーー・・・ ディナーの時間。 準備しておいたテーブルに、豪... 続きをみる
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振り分けられた部屋に戻ると、精霊カーネリーは言った。 「あなたがパティに告白せずに死ぬのがイヤなんだ、ですって」 「なんだって?」 コンコン。 ノック音がしてドアが開いてパティが顔をのぞかせた。 「どうしたの?呼んだ?」 「ああ、いや・・・なんでもないよ」 「ねぇ、今日のディナーはどうしましょう?... 続きをみる
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「ロブ・・・」 「私のために一緒に泣いてくれた優しいひとは、死んでしまったの・・・」 「何を言ってるんだい?」 「信じられないかもしれないけど、多分、即死で苦しみもなかっただろうって」 「ロブは死んだのかっ?」 パティは目をぱちくりさせた。 「何を言ってるの?ロブ」 ロブは両親がすでに他界していて... 続きをみる
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「・・・ん?」 「ロブって精霊が見えるの?」 「うん」 「そう言えばロースクール時代、お前そんなこと言ってたな」 「うん」 《パファー》と間抜けとも思える音が鳴り、フロントガラスいっぱいに光が満ちた。 衝撃音の次に覚えているのは、激痛で目覚めたマイケルという人格だった。 病院。 ベッドに横たわるし... 続きをみる