第11話 にぶんのいち
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一年がすぎ、ふたりで事故現場に行った。
花束を持って。
俺は、ロブのレシピをなんとなく作れるようになってきた。
パティの前では、ロブのふりをすることを決めて、そして時がたった。
感慨深いその場所で、パティは静かに泣いた。
パティが涙声でささやいた。
「マイキー。私と一緒に泣いてくれた優しいひと・・・お願いがあるの」
なんだろう、とロブのふりをするのがなれてきた俺は思った。
「私、ロブと結婚したいの。それをどうか許して」
衝撃的だった。
「なんだって・・・?」
ぼやいた俺の声が、彼女に届いたのかどうか分からない。
パティは俺を見た・・・いや、ロブを。
「ダメかしら?」
「ダメじゃない・・・」
「これからの私達の仲を、マイキーは許してくれるかしら?」
「きっと許してくれる」
パティは涙を指先でぬぐった。
ー第11話ー
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