魔法の国の妖精の里【薬草の本とテンプラ】
色んな濃淡のある緑色の一面。
そこに、よもぎを見つける。
虫はついておらず、食べ頃だと思う。
「パン作りによさそうだ」
空想屋係の妖精フセンが、隣でメモをしている。
なんでも食べ物小説を書いてみたいらしく、食料調達係の仕事に同行している。
なぜか僕が主な担当だと思われ、質問されてはメモされる。
まぁ僕は話しかけやすい雰囲気でも持ってるのかな、と思う程度にしておく。
「天ぷらって可能かな?」
「なんだって?」
「よもぎの天ぷら」
「なに、それ?空想?」
「妖精図書館で記述を見たことあるんだ。植物卵ってゆう成分のことも」
「すぐに確認だ」
妖精図書館に行って、『書蟲:しょむし』にたずねると、記述してある本があった。
「シナモン・・・?ほぅ」
料理番にかけあい、よもぎの天ぷらをためしに作ってもらった。
シナモンシュガーが、魅力的だ。
記述書を読んでおいてよかった。
みんなが食べる分となると、むずかしいかもしれない。
「ハーブ園を作れないかな?」
なるほど、と、フセンがまたメモをしている。
「それともやっぱり、自然のままがいいのかなぁ・・・」
「みんなの意見を聞きに行こうよ」
「そうだね。フセン、話し合いの内容はメモしないでくれ」
「多分、うん」
「ん~・・・・・・まぁ、いっか、行こうっ」
「つづり間違って、ハブ園になってる」
「知らなーい、知ったことではなーい」
「やっぱり、なんか君面白い」
「やっぱり、っていつから思ったの?」
なんで僕が担当みたいなのかについて、フセンに、小説に登場する者としてモデルになってほしい、と言われた。
少しドキドキしている。
自然体で話し合いをしてくれ、とフセンに言われたが、話し合い中の記憶が緊張により、ない。
ハーブ園、どうなるんだろう?
フセンの作品に出てきた、変なやつ印象的だったけど、僕はどこに登場しているのか、何度読んでも分からない。
「どこに僕がいる、ってんだ」
ー☆ー
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