白魔女さつきの宴のレシピ

ファンタジックなものをおもに投稿したいと思っています。西洋風か和風のファンタジーどちらにしようか迷ったのですが、もしかしたら両方を投稿します。

言之葉明日香:第2章【魔法使いにお弁当】

魔法の森の住人

魔法使いの兄がはなれに住んでから、妹である私は時々お弁当を届けに行く。


うららかな気候な里であるが、その場所は別段太陽の光のあたりかたが優しい気がする場所だ。


兄はほうっておくと、家の軒先にはえるキノコを虫メガネで観察して「食べれるかもしれない」と言い出すので、私がお弁当を届けることになる。


北陸ヤシの蜜で育った南国龍鳥のゆで卵と、パプとメンヤと鶏肉の炒め物、西洋風春巻き、食べれるキノコのバター醤油炒め、シュアザローナの花の和え物、くきのおひたしにはおかかをかけてあって、葉の添え物は風邪予防、トウガンのくたくた煮スープは魔法瓶に入れてあるからまだ温かいはずだ。


今回のお弁当の内容。


はなれに着くころ蝶々が数匹飛んでいた。多分、モンシロチョウだろう。ラブリーだなぁ、と思いつつ、風にそよいだ甘い水色の髪の毛をおさえた。


「おにーやん、入るよ~」


木製の玄関の扉が開いていたので、声をかけて室内に入る。階段をのぼる。


「おー、妹よー、よく、きた~」


薬になるかもしれないコケ植物がはえている屋根の上で、兄はくつろいでいるように見えた。


「死ぬかと思った~」


「なに?」


「口にくわえた草の毒気が、解けてきた~」


「アホみたい」


どうやら兄はくつろいでいるんじゃなく、具合が悪くてよこたわっていたようだ。


私の名前?

キーリー。


新米魔法使いの、妹。






ー第2章ー

言之葉明日香:第1章【トレジャー・ハント】

魔法の森の住人

ウィーザードボード。

直訳すると魔法使いの板。


基本的に空中を飛ぶために使用されるものだが、みなそこまで割れて切り立った海がもとに戻る波に乗るのは、魔法使いと言えど珍しかろう。


その先は飛沫で白く見え、うねる青は濃淡を持って崩れていく。飲み込まれれば、そのまま海に食われてしまう。


そんな危険な場面をふりきり、大波の終着点まで滑り込んだウィーザードボードの持ち主は、見守る者に当然の安堵だと思わせるような人好きのする口角のあげかたをした。


手に巻いてある革製のヒモにつながる、素朴にすら見える魔法石のネックレス。


それを示して、まだ若い賢者は言った。


「死ぬかと思った~」


私の名前?

レアン。


彼の、幼馴染み。






ー第1章ー

空が咲く

魔法の森の住人

背中のつめあとから、翼がはえて

そんな夢の中 雲をふりきって羽ばたく


光指す陽光に君の髪は

日に透けている


あなたを隠していた厚い雲は去り

星々の祝いは、瞳に灯る


涼しげな風は 詩を届けて

君への手紙に願いを込める


巡る季節に眠りは永く

あなたはまだ夢の途中


鈴虫が涙を流す頃

吐息は奏でてあなたは木漏れ日

空に泳ぐ魚たちのゆめのあと

美しく咲く天上の花に

永遠を誓う


駆け抜けた大空を

どこまでも高く


もう戻れないのは

戻りたくないから


破裂しそうな想いをかかえて

どこまでゆくの


秒針と気が触れた

最悪な機嫌の報せに

僕は笑って

空を抱き抱えるのかも


恋なのか愛なのか

ちっとも知らないまま

歩んでいく先に

君がいる


いつかの花びらの香りが

きっとまだ、残っている




ー☆ー