白魔女さつきの宴のレシピ

旅人の物語【海の幸車】

旅の通りがかり、漁村近くを歩いている時だった。 手前向こうに、車輪を付けた家が見えた。ふと屋体なのかと思ってみるが、大きさと運ぶ人数が、それを払う。 気になったので寄り道を決めて、向こう側へと移動している間に、車輪を付けた家は、たたきのような所から海へと落とされた。 どうゆうことなのかたずねると、... 続きをみる

鱗姫～うろこひめ～

姫の体に、鱗ができたことを知らされたのは私が匙になってからまだ歴のない頃だった。 転んでひざから出血しただけで不吉なことであると診断されるが、天の意はなにゆえとただそれだけで問いすぎたのかと頭を抱える他の匙たちをよそに、姫の首回りや二の腕にはえてきた鱗を診て、息を呑むほどに内心美しいと思った。 元... 続きをみる

洞窟にあるお宝【メガネと人魚姫】

酒に酔って船から落ち、 海流に流されて 気がついたら、 洞窟につながる砂浜に倒れていた。 可憐な歌声がするので、 洞窟の奥に進んでみると、 おそろしいほど澄んだ大きな水溜まり。 脈が透った魚の尾が水面を叩いた。 足元に上半身を見せたそれは、人魚。 濡れた髪の毛をかきあげ、 少しほほえむ。 「言葉通... 続きをみる

ピンクの赤髪

気配に気付き振り返ると、 遠くから馬が走って来る。 突如いななきと共に 上半身を起こした馬をいさめ、 目の前に現れたのは ズボン型に腰布をした ベリーダンサー服を着た美女だった。 その女が笑う。 「お久しぶりね」 「あいかわらずのじゃじゃうま」 女は馬に言った。 「ですって」 馬が言った。 「え？... 続きをみる

華鬼

「人魚が見たいわ」 若いが、もう長くはないと告知された病床の可憐な女が言った。 兄やである美しい男が、探してきますと言って、芍薬の花を持ってきた。 「あら、お花？」 「これは人魚の鱗でできた花」 「まぁ、どうゆうこと？」 「私はムゲンという力を使って、自然とはがれた鱗を人魚からわけてもらい、それを... 続きをみる