「あの時?」 「あら、はぐらかさないで?事故の日よ」 「ん?」 「ロブ、あなた言ったじゃない?『パティ、愛してる』って」 俺は目を見開いた。 パティは続けた。 「きっとマイキーは私達の仲を許してくれるわ」 そして彼女はもう一度、俺にキスをした。 数秒後、 俺は一生、 ロブとして生きることを決意した... 続きをみる
ドラマ仕立てのブログ記事
ドラマ仕立て(ムラゴンブログ全体)-
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俺は花束から薔薇の花を一輪崩し摘んだ。 かまわずそれをパティに差し出し、彼女の手のひらに乗せる。 俺は今日、彼女にプロポーズすることを決めていた。 右手にしのばせてあった指輪を、薔薇の花びらで隠しておいた。 手の中の花びらが風に舞い、彼女は指輪に気づいた。 「ロブっ」 彼女は自分から俺にハグをして... 続きをみる
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ーー ーーーーー・・・ 一年がすぎ、ふたりで事故現場に行った。 花束を持って。 俺は、ロブのレシピをなんとなく作れるようになってきた。 パティの前では、ロブのふりをすることを決めて、そして時がたった。 感慨深いその場所で、パティは静かに泣いた。 パティが涙声でささやいた。 「マイキー。私と一緒に泣... 続きをみる
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「そんなこと言ったって、もうパティ、美容院から戻って来ちゃうわよっ」 精霊カーネリーが少々怒っている。 「彼の潜在能力とかが発動すると思ったんだよ」 「どーすんのよ?」 「・・・魔法使える?」 カーネリーは冷たい目で俺を見た。 ーー ーーーーー・・・ ディナーの時間。 準備しておいたテーブルに、豪... 続きをみる
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ポン、と音がして肩あたりに透明な羽根を持つ不思議な服装の小さな人型が現れた。 「ハァイ」 「ハァイ」 「あら、理解あるひとでよかった」 「なぁんにも理解してないよ」 「あなたは、マイキーね。私の名前、なんだと思う?」 「ティンク」 「あっはっは。そう言うと思ったぁ~。ヒヒヒヒヒ」 こちらを指差して... 続きをみる
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「・・・ん?」 「ロブって精霊が見えるの?」 「うん」 「そう言えばロースクール時代、お前そんなこと言ってたな」 「うん」 《パファー》と間抜けとも思える音が鳴り、フロントガラスいっぱいに光が満ちた。 衝撃音の次に覚えているのは、激痛で目覚めたマイケルという人格だった。 病院。 ベッドに横たわるし... 続きをみる
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「ふたりとも最近どーお?」 「『ぼちぼち』」 「ふぅん・・・ねぇ、ねぇ、帰り、久しぶりにあのバーに寄りましょうよ」 「僕、お酒飲んでるから運転できないよ~。パティは?」 「飲酒運転くらいなんでもないわ」 「僕が運転するよ。実はお酒飲んでない」 「のめないものね~」 ヒャヒャヒャとパティは笑った。 ... 続きをみる
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「お前はどんなんがタイプなんだよ?」 数秒の間。 「君は?」 「パティ」 「ふぅん・・・僕もパティ好きだけどね」 「そうゆう親友だからって意味じゃなくて、女性として、だ」 「うん」 「意味わかってる?」 「アンダースタンド」 「ああ、はいはい」 「いつか告白するの?」 「そうだな。機会があったら、... 続きをみる
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俺とパティは幼馴染みで、 小さい頃俺は泣き虫だった。 そんな俺をかばってしまった彼女まで、 いじめられそうになった時。 ふたりでしゃがみこんで、 囲まれた影におびえて。 その影よりいっそう大きな影が 自分にかぶると、 いじめっこは走って逃げて行った。 むずかしそうな顔をしている 体の大きなその男の... 続きをみる
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